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熱間鍛造と冷間鍛造

鍛造学ブログ 担当の徳田です。

まだまだ朝晩の冷え込みが厳しい中、ようやく日中の日差しは春を感じさせてくれるようになり、間違いなく、春に向けて季節が一歩一歩進んでいくのがわかるようになってきましたネ。

また、この時期は卒業式が真っ盛りの季節でもありますが、私も娘の卒業式で家内と一緒に出席してまいりました。

皆様におかれてはいかがお過ごしでしょうか?

あとひと月もすれば、ポカポカ暖かい桜の季節ですね~。ホント待ち遠しいです(笑)。



さて、今回は熱間鍛造と冷間鍛造の違いとその特性についてのお話...

最近のお客様からのお問い合わせのなかで、「熱間鍛造で冷間鍛造レベルの公差で製造できませんか?」とのご相談が多くなってきております。

また「熱間鍛造品の一部分を切削レスで使いたい」と要望されるお客様も増殖中?(笑)

そんなわけで大雑把ではありますが、以下に説明させて頂きます。

まず熱間鍛造とは、書いて字のごとく金属の素材(一般的に丸棒)を所定の長さに切断後、加熱して鍛造しますので、成型後常温になれば製品は必ず収縮します。

ですから、金型はその収縮率(延尺)を考慮して少し大きめの寸法で製作しますが、厳密に言えば夏場や冬場の外気温度差で製品寸法は多少のバラつきが発生します。

また大きさにも依存しますが、鍛造時(非鉄金属材の場合は基本的に一回成型)には、150t~500tの大きなプレス圧力が加わり、焼き入れした金型といえどもその瞬間には「弾性変形」しており、製品の歪や反りの発生につながります。

なので、高精度な鍛造部品が必要な場合は、あと工程で切削加工を追加して仕上げる方法を採用する場合が一般的です。

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加熱された金属素材(左)と熱間鍛造直後の鍛造製品(右)。鍛造直後も高温のため、常温になれば製品は収縮します。


一方で、熱間鍛造とは違う冷間鍛造方法は、材料を常温のまま成型しますので「金型寸法」と「製品寸法」はほぼ同じになり、仕上り精度や公差レンジといった点では熱間鍛造より優れ、場合によっては切削加工無しといった設計も可能です。

但し、一般的な冷間鍛造の場合は、材料を加熱していない為に素材の変形抵抗が大きく、また1プレス当たりの素材変形量も少なく、複雑な形状の製品を成型する場合は、一度に金型が複数個以上必要になり、ロット数量が少ないと採算性が悪くなる傾向にあります。

その点、熱間鍛造の場合はロット数が数千個以上であれば経済ロット数になり、製品の対応できる形状としても熱間鍛造は金型設計自由度が高く、金型が上下分割できれば基本的に成型が可能です。

主に熱間鍛造方法というのは、「一次素材から二次素材へ変える製造技術」という事であり、熱間鍛造品単体では部品ではなく基本的に「二次素材」だと概念をお持ち頂くと大変ありがたく思います。

とは言え、形状にも依存しますが、熱間鍛造品で弊社独自の<バリ無し鍛造技術>を使えば、冷間鍛造では難しい形状と冷間鍛造品並みの精度を出すことが可能です(笑)。

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バリ無し鍛造技術による当社熱間鍛造品


但し、マテリアルは黄銅材に限りますが・・・(汗)

その為には、お客様の図面を基に弊社との二人三脚による互恵関係を構築し、鍛造性向上と高品質化できるような提案をご快諾頂くことで、末永くコストパフォーマンスの良い製品を供給させて頂けると思います。

ぜひ、熱間鍛造で冷間鍛造並みの製品精度を出すことができればとお考えの方は、<非鉄熱間鍛造品のエキスパート 中野鍛造>へ是非、お問い合わせご相談をお待ちしております(笑)!


高精度な熱間鍛造品については、こちらのページでも解説しています。

販売価格の値決めについて

鍛造学ブログ 担当の徳田です。

最近、やっと寒くなってきたと思えば、ポカポカ陽気になったり、でも夜は寒かったりして、何か変な気候が続いておりますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか(笑)。

さて本日は、販売価格はどのように値決めされているかについてお話したいと思います。


まず政治のお話になりますが、世界が大注目していたアメリカの大統領選挙は超以外?ドナルド・トランプ氏の勝利に終わりました。

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皆さんはどちらが勝利すると予想されていたでしょうか?

わたくし個人的には、近年の往き過ぎたアメリカ流「グローバルイズム」が、アメリカ人の一部である知識階級の人々だけを潤し、アメリカ全体の「経済格差」を増長させた結果、中間層以下の国民を不満にさせ、その結果が「Make great America again」のスローガンにみられるように、彼ら中間層以下の国民の回顧主義が強まり、アメリカの復活を期待してトランプ氏を当選させたのではないかと分析しております。

そんなアメリカの状況で、国際非鉄金属マーケットでの銅の相場はトランプショックと言われるくらいに暴騰し、銅相場のみならず株式市場や為替市場も乱高下で冷や汗もの...(汗笑)


例えば、銅の価格は非鉄金属のLME国際相場と外国為替市場のドル対円の相場価格で決まります。

LMEマーケット市況の銅価が上昇していても円高に為替が振れれば相殺する場合もありますが、今回のトランプショックではLME価格が上昇し、為替が円安に振れてダブルパンチとなっています。


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特に足元(直近)の急激な材料相場変動は、製品販売価格への反映が非常に難しい訳でして...(苦笑)。

一例で言いますと、毎月の一定のアイテムで定量的にご注文頂いているお客様については、二か月前の相場価格をスライドして当月の材料価格に適応できるので問題はありませんが、スポットのお客様に関しては足元相場価格が急変した場合、特に相場が急な下落をしたときは納期の関係上足元価格では見積りできません。

つまり足元価格下がったからと言ってすぐに売価には反映できないんですよね・・・。

なぜなら材料メーカーとは二ヶ月前の価格で発注しており、その約一か月後に材料が弊社に入荷しますから(納期遅延する場合もありますので)、材料入荷納期の余裕を含んで当月使用している材料価格はあくまでも二ヶ月前の価格がベースになるのです。

但し、納期二ヶ月を頂けるなら材料足元価格で製品価格提示をさせていただくことも可能にはなるのですが、もちろんそのような余裕のある納期でご発注頂けるお客様は皆無です(汗)。

何れにせよ、初めてお取引き頂く際もしくはご注文を頂く際は、二ヶ月前の材料価格がベースになることをご理解頂ければ大変有難く思います。

アメリカ大統領はやっぱりヒラリー氏の方が良かったのでしょうか?その答えは4年後には出ている事でしょう(笑)。


販売価格については、余裕のある納期(二ヶ月程度)でご発注頂けるのであれば、材料足元価格で製品価格検討することが検討できますので、円安に振れているこの時期はぜひ、前倒しでご発注をご検討してくださいませ(笑)。

鍛造の種類

鍛造学ブログ 担当の徳田です。

いつも鍛造学ブログをご覧頂きまして、誠にありがとうございます。

さて、最近やっと日中を含め暑さが和らいで、涼しくなってきましたね(笑)。

つい数日前まで、当社でもまだまだエアコンが活躍する日々が続いておりましたが、
そろそろ電気代を節電することができるかも・・・、と密かに考えている今日この頃です(笑)。

さて、前回は「鍛造の歴史」についてお話しましたが、
今回は「鍛造」について、もう少し深く掘り下げてお話をしたいと思います。


たとえば、「鉄は熱いうちに打て」という諺が、教育論としてよく使われますが、
それと同じように「鍛造」とは漢字の通り「鍛えて造る」ということです。

つまり、鉄や金属を高温に加熱しハンマーや金型で叩いて鍛えると同時に、
任意の形に整える加工方法を「鍛造」するといいます。

この様に、加熱した金属をプレス機など、外力により叩き、
材料の中に生じたガスや気泡を圧着させ、結晶粒を微細化し、
機械的性質を向上させることが「熱間鍛造」の主な目的なのです。

その特徴としては

①切削工程の削減
②材料の節約
③組織が緻密になり内部欠陥がなくなる
④切削加工では難しい形状が量産可能
⑤強さ、硬さなどの機械的性質が安定する
⑥鋳造品に比較して寸法の安定性が向上する。
⑦製品形状に合った鍛流線(メタルフロー)が得られる

等があります。

次に鍛造の分類として、「冷間鍛造」と「熱間鍛造」があり、
鍛造後加工硬化が残るものを「冷間鍛造」と呼び、
再結晶が生じて加工硬化が残らない鍛造は「熱間鍛造」と呼ばれ、
主に「型鍛造」「回転鍛造」「ローリング鍛造」「自由鍛造」等があります。

また、「型鍛造」の場合、その鍛造方式の違いから、下記のように四種類に分類されます。


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以上のように、鍛造の種類には材料を常温で成型する「冷間鍛造」と
材料を加熱して成型する「熱間鍛造」の二種類があり、

また、熱間鍛造方法の一つとして「型鍛造」があり、
その製造設備の違いから、さらに4種類に区分されております。

ちなみに弊社では、熱間「型」鍛造が主な業務で、
オープンダイ方式、クローズダイ方式及びホリゾンタル方式の設備を保有し、
様々なご要望に対応しています。

また次回も鍛造について、様々な知識を本ブログでご紹介したいと思います。

鍛造の概要(歴史編)

初秋の候、皆様はいかがお過ごしでしょうか?

まだまだ暑い日が続いておりますが、エアコン依存症になった身体には軽い夏バテ感を感じる今日この頃です。

さて、今回より既存のお客様や新しいユーザー様に鍛造技術についてより一層のご理解をいただくためにブログを立ち上げました。

鍛造の歴史からはじまり鍛造の種類、そして最新の鍛造技術まで少しずつですが小生の与太話としてお伝えしようと思っています。

まず第一回は鍛造の歴史編の概要として語りたいと思います。

時は遡ること、約5000年から6000年前のエジプト文明やメソポタミア文明の頃の遺跡から世界最古の銅製の斧や鋳型が出土していることから、当時の人々が自然界の金や銀、銅などの金属を溶解し加工したのが鍛造の原点といわれております。それは人類が文字を知る以前のことです。

そして約2500年前に中国に鉄製の農具が普及し、日本では弥生時代に大陸からようやくその技術が伝来し、弥生時代後期には青銅の鋳造品や鉄の鍛造品がつくられるようになりました。

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弥生時代の銅矛(九州出土、1-2世紀)Photo by PHGCOM(2007) / CC BY 3.0

また、古事記や日本書紀によると4世紀に当時親交のあった百済から「卓素」という鍛造技術者・鍛冶師が渡来し「韓鍛冶の法」を伝えたと記されています。

平安時代からの度々の戦乱に必要だった刀剣や鋏、包丁、鍬、鎌、斧などの刃物も鍛冶技術の発達をうながし、鉄砲が伝来した16世紀には短期間でその製造技術を獲得したのもそれまでの鍛造技術が発達していたことを如実に示しています。

それまでは「金敷」と「手槌」で鍛造加工していましたが、詳しい資料はありませんが明治維新のころに、ようやく機械による鍛造加工が始まったといわれております。

以降、大正・昭和・平成と先人たちの努力により時代は進歩し、鍛造技術は私たち日本人の「モノづくり」のベースとして、今日の産業を支える重要な加工方法の一つとなっております。

さて次回は「鍛造とは?」についてお話したいと思います。