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型ズレ精度0.1mm・中空芯ブレ0.2mmという業界最高レベルの精密加工を実現。100万個オーダーの大量生産品においても不良品率を限りなくゼロに近づけ、しかも「最短7営業日」のスピード生産を可能にする中野鍛造所の高精度鍛造加工技術に迫りました。


各種バルブ、配管部品から
燃料電池車等の最先端分野まで
独自の精密鍛造技術で貢献

中野鍛造所の沿革について聞かせてください。

戦前の日本において、金属部品加工は鋳造が中心でしたが、機械産業が発展するにつれ高強度で大量生産可能な鍛造へのニーズが高まりました。その後、戦後復興・高度経済成長とともに上下水道やガスなどのインフラ整備が進み、強度・気密性・耐食性に優れた黄銅製バルブなど鍛造部品の需要が急速に拡大していったのです。

こうした時代のニーズに応えるべく、中野鍛造所は1963年に創業し、1970年代半ばから始まった家電製品・産業機械等の輸出拡大に合わせ、さまざまな業界に高品質な鍛造部品を提供してまいりました。例えば、各種バルブ、配管部品、ガス器具部品をはじめ、ビデオデッキのヘッドやテープガイドといったAV機器部品にも、当社製の高精度な鍛造品が多数採用されました。

そして、1980年代に入ると、今度は輸出向けエアコン用バルブの需要が拡大しました。当社は兵庫県豊岡市に神鍋工場を新設し、加工難易度の高いエアコンバルブを熱間鍛造で初めて製造することに成功しました。以後、鍛造工程の情報化を推進しながら、より精度の高い鍛造方法を研究し、削出しから鍛造への切換えによる軽量化・省材料化・コスト削減等にも積極的に取り組んでいます。

近年では、スマートフォンのボディや、自動車のスロットルバルブ、産業用バッテリーのターミナル、そして、燃料電池車に搭載する水素燃料用バルブ等、最先端分野の部品製造にも当社独自の精密鍛造技術で貢献しています。

現在、鍛造加工に求められている市場のニーズは何でしょうか?

一つ目は、「多品種小ロット」です。これは、エンドユーザーのニーズが多様化しているため、製品にバリエーションが求められていること。そして、新製品開発における試作品製造の案件も増えているため、必然的に小ロット生産が増加していることになります。

二つ目は、「高精度化」です。切削工程のロボット化が進んだため、その前工程である鍛造工程にも、高精度で安定した加工が求められるようになりました。それまでは、鍛造品の加工精度が少々低くても、切削技術者が部品1点1点微妙に角度を合わせて切削を行うというアナログな対応が可能でしたが、相手がロボットではそうした融通は利きません。

そこで、当社では、社内に金型設計・製作部門を設け、鍛造のさらなる高精度化を図るとともに、試作品開発のご要望にも、スピーディーな対応を実現しました。さらに、鍛造後の切削、表面加工までもカバーする独自の一貫生産システムを構築して、お客様の多様なニーズにお応えしています。

独自の一貫生産システムのもと、製品1個目も100万個目も
全く同一であるよう、精度・品質を徹底的に追求しています。

一貫生産システムによって、お客様はどんなメリットが得られますか?

第一に、すべてが社内で完結するため、「タイムロスがない」ことです。例えば、受注と同時に金型から鍛造・切削までの全工程に関わる情報を社内で共有し、待ち時間のない生産スケジューリングを決定しています。

第二に、試作段階などで不具合が発生した場合も、「スピーディーに対応」できることです。新製品開発にはトライ&エラーが付き物ですが、不具合が生じる度に金型設計・製造を外部に出していますと、どうしてもレスポンスが遅くなります。その点、当社独自の一貫生産システムなら、仮に不具合が生じてもすぐに対応可能です。

製品の品質保証も中野鍛造が一括して行うわけですね。

はい。例えば分離発注の場合、検収後に製品の瑕疵や不具合が見つかった場合など、どの会社のどの工程に問題があったのか、調査に手間暇がかかる上、原因が不明確になるケースもあり得ます。その点当社では、最終製品の品質に責任をもってお客様に納品いたしますので、安心してお任せいただけます。

また、従来の分離発注では、金型設計・製造、鍛造、切削、それぞれの会社と打合せを行い、検品する必要があります。その場合は当然、納期管理は複雑になりますし、鍛造品を切削工場やメッキ工場へ運搬するコストもかさみます。そこでお客様には、これらを当社への一括発注に切り換えていただくことで、個別対応のロスや管理ミスがなくなり、「トータルコストの削減」という大きなメリットを享受していただいています。

そのような「一貫生産システム」を取られている会社は他にもあると思いますが、中野鍛造所との違いはどこにあるのでしょうか。

一言で言えば、「品質に対するこだわり」だと思います。当社では、例えば100万個の部品を製造する場合、初回ロットの1個目も、最終ロットの100万個目も、全く同一のものを生産できるよう徹底的に品質・精度を追求しています。打ち上がった製品の寸法を細かくチェックしながら、現場で微細に調整を実施します。どのタイミングで金型を休めたり、どのようにマシンを調整するか、そこに、創業半世紀以上にわたって蓄積してきた、当社独自の鍛造技術とノウハウがあります。

特に、5年10年と、長期にわたって同一部品の製造をご注文いただいている大手企業様から、「中野鍛造所の製品はノートラブル」「安心して任せられる」というお声を多くいただいることは、私たち一人ひとりの誇りであり、仕事に向き合う情熱となっています。

金型・鍛造に精通した熟練技術者がダイレクトに連携し、
「最短7営業日」のスピード生産を実現しています。

中野鍛造所最大の特長の1つに、「最短7営業日」のスピード生産がありますね。これを実現できる理由を教えてください。

「金型設計・製作部門」と「鍛造部門」がダイレクトに連携していることです。例えば、金型完成から鍛造開始までの待ち時間は、ほとんどありません。さらに、すべての技術者が、金型設計・製造と鍛造の両方に精通した熟練者です。したがって、金型設計の段階で、鍛造現場で発生するであろう課題をクイックに設計に反映でき、金型製作後の手戻りも大幅に削減できています。

また当社では、営業担当者に関しましても、も金型・鍛造現場を熟知していますので、お客様の設計図面を見てコンサルティングを行うことが可能です。まさに、最短納期を目指して、全スタッフが団結できる体制が整っています。

中野鍛造所では、新規受注から即日で金型の設計・製作に入ることも可能です。また、金型製作を行う前に鍛造承認図で確認をとれるため、いち早く金型を完成させることができます。

さらに、スペイン・ネオテックマン社製の、最先端中空バリレス鍛造プレス機を配備しており、切断・加熱・バリ取りまでの工程をこれ1台で行うことが可能となり、材料を投入するだけでバリのない中空成形鍛造品が完成できます。そのように、フルオートメーション化させることで、安定した品質の製品をスピーディーに生産することが可能です。

だから、スピードと品質を両立できるのですね。例えば、お客様からの緊急の案件にはどのように対応されていますか。

できる限りの対応をさせていただいています。私どもの業界では、設備のフル稼働を目指している工場が多い中で、当社は高品質生産を目的に設備稼働率を約8割に抑えていますので、その分、クイックに動ける対応力があります。急な案件もお気軽にご相談いただければ、誠心誠意ご対応させていただきます。

高精度マシンと、鍛造技術者の高度なメンテナンス力により
不良品率を限りなくゼロに近づけることに成功しています。

ところで、型ズレ精度0.1mm・中空芯ブレ0.2mmという業界最高レベルの鍛造加工精度は、どうやって維持向上されているのでしょうか。

金属加工の世界では、マシンスペックを上回る加工精度を出すことは、原理上不可能です。当社では「高品位な鍛造品は、高精度なマシンから」をモットーに、国内外の超一流メーカーによる最新設備を多数配備しています。例えば、日本輸入第1号機として業界に先駆けて導入したスイス・オスワールダー社製スクリュープレス機をはじめ、イタリア、スペインの高性能プレス機もラインに投入しています。

もちろん、高精度なマシンを導入しても、それを使いこなす鍛造技術者の技能がなければ、机上の空論に過ぎません。当社では、豊富な知識と経験を持つ、熟練した鍛造加工の技術者がオペレーションを行っています。さらに、国家認定を受けた有資格者が各マシンのメンテナンスを随時実施し、性能を最大限に引き出せるよう、万全のチューンナップを行っています。

「不良品率ゼロ化」というのは、かなり厳しい目標設定ですね。

確かに、容易なことではありません。鍛造の場合、マシンを動かし始めた朝一番と、プレスを連続し続けた昼とでは、金型の温度もマシンの調子も異なるため、微妙に寸法にも違いが生じてきます。

そこで当社では、1日2~3回という、通常行よりも高い頻度で金型メンテナンスを実施しています。そのように、金型表面の肌荒れや摩耗を防ぎ、離型剤のクリーニングを行うことで、製品精度の向上はもちろん金型の長寿命化を図っています。こうした細部へのこだわりと独自ノウハウにより、不良品率を限りなくゼロに近づけることに成功しています。

業界最高峰のヤスダ社製高精度マシニングセンタを駆使
面拘束ホルダにより高精密金型を仕上げています。

鍛造金型の設計・製造を自社で行っているのはなぜですか?
金型設計・製造は外部に委託している鍛造会社が多いのですが、中野鍛造所では自社内での金型設計・製造にこだわってきました。それは、鍛造において金型とプレス工程は一体不可分であり、両者をトータルに理解することで初めて高精度な鍛造を達成することができるからです。

当社には、創業後半世紀にわたり、2000案件以上に及ぶ金型設計・製作実績があります。その高い経験値を活かし、鍛造加工の視点から製品形状の改善提案をさせていただくことが可能です。

高精度な金型製作のために、どのような施策を行っていますか。

中野鍛造所では、複雑形状の設計やモデリングにも対応する高性能CAD/CAMシステムと、業界最高峰として知られるヤスダ社製高精度マシニングセンタ/ジグボーラーを導入しています。このマシンは、海外トップクラスの高級車メーカーに採用されているほどの高精度マシンで、X方向の軸移動600mmに対し、誤差はわずか0.004mm以内しかありません。通常、鍛造金型製作に用いられる工作機械の約10倍のハイスペックを誇るこのマシンを駆使し、高精密金型を直彫りしています。

さらに、「2面拘束ホルダ」を採用し、芯ブレを極小化にも成功しました。従来の1面拘束ホルダでは、連続運転の際、マシン主軸の遠心力や熱膨張によるZ軸変位が避けられませんでした。それらを2面で確実にホールドすることで芯ブレを抑え、ATC(自動工具交換装置)の繰り返し精度が向上させることで、一層の高精度加工が可能になりました。

あと、ドリル・リーマ・エンドミル等については、通常、再研磨して使用する工場が多いのですが、当社では社内規定で再研磨使用を禁止し、精度をより一層シビアに追求しています。

業界に先駆けてISO9001を取得するとともに
技術やノウハウを当社独自のナレッジとして体系化しています。

生産管理における留意点を教えてください。

プレス工程においては、材料の質量管理を徹底、材料・金型の温度を一定に保つとともに、離型剤によって摩擦抵抗管理を行っています。また、マシン摺動部等のメンテナンスにも細心の注意を払っています。

また完成品に対しては、各種マイクロメーターや2次元測定器、ハイトゲージ、ダイヤルゲージなどを用い、厳格にチェックしています。当社では、事前にお客様との間でもゲージ校正を行い、測定データの相関を得るなど、精度測定管理にも万全を期しています。

ISO9001を取得しているのも、その一環ですね。

はい。業界に先駆けて品質マネジメントシステムの国際規格ISO9001を取得し、各工程でPlan/Do/Check/Actの「PDCAサイクル」を実践しています。高品質な鍛造を行うには、型技術・加熱技術・潤滑技術等、多くの技術と生産管理ノウハウになります。そこで、これらを技術者個人の経験や勘に頼るのではなく、当社独自のナレッジとして体系化を行いマニュアルに記述することで、技術やノウハウを組織的に蓄積して、いつ誰が対応しても同じ精度が出せるよう標準化しています。したがって、リピート品においても、均一で安定した品質の製品をご提供することが可能です。

軽量化・省材料化・省切削化のご提案はもちろん
お客様の新製品開発にも積極的に貢献してまいります。

最後に、今後の抱負を聞かせてください。

中野鍛造所では、鍛造による部品の軽量化・省材料化・省切削化のご提案はもちろんのこと、長年にわたる技術蓄積を活かし、お客様の新製品開発にも積極的に貢献したいと考えています。常にお客様のメリットを最優先に考え、鍛造にこだわらず、鋳造、削出し等あらゆる選択肢の中から最もベストな加工法等をアドバイスさせていただき、その上で当社が必要になる場合、様々なご提案をさせていただきます。

また、リサイクル性の高い金属鍛造のさらなる可能性を追求することも、中野鍛造所の重要な使命だと考えております。当社の鍛造品がさまざまなメーカー様の製品に組み込まれ、産業や人々の暮らしに貢献できることは、私達にとって何よりの喜びです。今後も「中野鍛造所に任せておけば間違いない」とお客様からご評価いただけるよう、より高品質な鍛造品生産に向け真摯に取り組んでまいります。