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アニール処理について

鍛造学ブログ 担当の徳田です。

皆様、大変ご無沙汰しております。


さて、今年の冬は例年に増して、日本の上空で冬将軍が居座り列島各地に大雪の被害をもたらしているようですが、皆様の地域で雪の影響は如何でしょうか?

なにせ、今年の大雪は地球温暖化による異常気象なのか、はたまた、人間の利便性ばかりを追求した現代の都市構造や社会システムが雪害に弱いのか、とても議論の分かれるところではありますが、「備えがあれば憂いなし」...って言葉は、今回本当に身に染みて大切だと思いましたね(汗)。

では、早速本題に入りたいと思いますが、今回は、熱間鍛造処理のクオリティをより高める、「アニール処理」についてお話したいと思います。


例えば、人間は体の芯からカチカチに凍るくらい冷たい氷点下の屋外から、暖房の効いた暖かい屋内に移動したりお風呂に入ったりすると、全身の血液の巡りがよくなり肩や首、関節の筋肉がほぐれてリラックスできますよね。

実は、金属の成型品や樹脂成型品、切削加工部品も人と同じように素材に合った一定の条件で温めると、素材の内部応力が抜けていきストレスフリーに(柔らかく)なるんです。

これを、焼鈍(焼きなまし)処理といいます。又は、「なまくら」ともいいます。

よく世間で言う、「温室育ちで環境の変化について行けない人」のことを「あいつなまくら(鈍ら)やなあ」と言う同じ意味です(笑)。

少し話しが逸れましたが(苦笑)、熱間鍛造加工では焼鈍する事により、後加工での歪の影響を最小限にとどめることができ、より高品位な製品に仕上げることが可能になります。そして、金属は焼き入れや焼鈍する事により、その金属の特性を自ら変化させて、強くなったり柔らかくなったり、靱性やしなやかさを持ち合わせさせたりすることもできます。

また、鉄の熱間鍛造加工を施すことにより、結晶粒が肥大化したものを標準組織に戻す場合は「完全焼きなまし」といいますが、残留応力除去が目的の場合は、それと区別してアニール処理または「ひずみ取り焼きなまし」と呼んでいます。

その残留応力には、「引張残留応力」と「圧縮残留応力」と二つの成分があって、材料の内部から外部(外側)に向かう力が「引張残留応力」で、その逆で材料の内部(内側)へ向かう力が「圧縮残留応力」といいます。



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<引っ張り残留応力の模式図>


特に、黄銅材やアルミニウム材を熱間鍛造した場合には、素材が外側から冷えていくので、内側が先に冷えた外側に引っ張られ、その状態では常に引っ張り残留応力が残るのです。

そういった残留応力の残った材料などで切削加工を行うと、そのバランスが崩れて歪や反りといった問題が発生しやすいので、加工前にアニール処理を行うことにより、常に安定した精度で部品が製作できるようになります。

ちなみにアニール処理は、実は金属だけではなく、反りや割れの防止に身の回りのプラスチック製品にも施されています。


この優れたアニール処理に関心があられる方は、まずはお気軽に、私、徳田までご相談下さい。検討される鍛造加工品に合わせて、最もベストな対応を検討させて頂きます。